[高くない!?]鍼灸治療の料金、相場はなぜ数千円もするのか?

鍼灸師・整骨院のこと
嫁

なあなあ。鍼灸治療って1回何千円もするんやろ?

なんか高くない?

ツボ男
ツボ男

たしかに。今までいろんな院見てきたけど

約4000円ほどが平均的な価格やな

嫁

なんでそんな高いねん!

もっと安くしていろんな人に

来てもらった方がええやん

ツボ男
ツボ男

まあそうなんやけど色々あるんよなぁ

鍼灸治療の価格について

今現在鍼灸治療を受けている、もしくはこれから受けたいと思っている方が

避けては通れないのが料金の問題

治療を続けたいと思ってもお金との相談になりますよね。。。

医道の日本という鍼灸整骨院業界の雑誌のアンケートによると

鍼灸治療で支払う料金は3000から4000円が最も多く全体の33.8%ということです

医道の日本アンケート内容はこちら

ツボ男
ツボ男

実際の料金はもう少し高いところが多い印象です

例えば週2回鍼灸治療を受けようと思ったら1回の治療4000円だとすると

毎月4000円×8回=32000円の費用が必要になります

これは中々大きい金額ですよね・・・

患者さん
患者さん

それでしたらもうちょっとお安くしてもらえるとありがたいのですが・・・

今回はなぜ鍼灸治療の料金がこの価格になるのかというお話です

 

鍼灸治療にかかる経費は月約30万!?

当たり前ですが鍼灸師の先生たちも商売として治療を行っているのでお金儲けをする必要があります
利益は「売り上げー経費」なのでまずは経費の部分から

鍼灸治療でかかる経費は主に
・はり、お灸代
・損害保険代
・家賃、光熱費

・治療器具のリース料金
といったところでしょうか

それぞれ解説していきます

  はり

はりは現在1箱100本入りで約1000円ほどのものが主流です
つまり1本約10円
現在の鍼は使い捨てのものが主流なので再利用はできません

1回の治療で100本ほど使う先生もいればほとんど使わない先生もいるので
人それぞれですが

当然ですがはりを多く使用する先生の方が経費がかかります

  お灸

お灸はせんねん灸を使用する先生が多いです
せんねん灸の価格は私が使用しているものですが
1000壮で約7000円ほど
つまり1つ約7円になります

実ははりとお灸に関してはそこまでお金がかかることはありません

  損害保険

万が一治療中に患者様に怪我をさせてしまった際に損害保険に加入しています
といってもほとんど事故が起こらないため月額1300円程度と激安です

  家賃・光熱費

ここからが多く経費のかかるところ

当たり前ですが店舗を経営されている先生は家賃を支払わなければなりません
患者様に良い環境で治療を受けてもらわないといけないので空調代は気にせず使うため
電気代もけっこうかかります

家賃は場所により、都市部はやはり高額になる傾向があります

  治療器具のリース料金

熱心な先生は鍼灸以外にも色々な治療器具を取り揃えています
それらの多くはとても高額なためほとんどの先生がリース(レンタル)で
料金を支払っています
物にもよるのですが1台月数万円というものが多いです

ここまでが主な鍼灸院の経費になります

実際の支払いできついのは家賃と治療器具のリース料金

この2つが主な経費としてのしかかってきます

合計するとおおよそですが月30万円位は経費がかかると思います
(場所や治療内容でもちろん個人差が出ます)

治療価格の決め方

上記の通り経費が月約30万円かかるので
30万円を超えた額が先生の利益という形になります
(もちろんその利益から税金や国民保険などを支払わなけらばいけないですが)

そのうえで治療価格を決めていかないといけません

  国が決めた料金がある

実は鍼灸治療には国が決めた料金があります

鍼灸治療には症状によって健康保険が使用でき

厚生労働省が通達している料金によると

はりまたはお灸治療1回1550円
はりとお灸治療両方1回1610円

とされています
(2022.7.1現在。健康保険を使用した際の料金)

この金額で1人の先生が1日8時間労働

1人の患者さんに1時間治療

週休2日で月22日間院を開いたとして計算してみると

月の売り上げが

1610円×8時間×22日=28万3360円

となります

ツボ男
ツボ男

この売り上げだと毎月赤字ですね。。。

しかも先生の休憩時間がなく患者さんがまったく途切れないことが前提での計算なので

実際はここまで売り上げを上げられないでしょう

  国の決めた料金じゃむり?

先ほどの料金では1人当たりの治療時間を短くして
見る患者さんを増やすもしくは休日を削る

しか赤字を逃れる方法はありません

となると先生がより多くの患者様をみなくてはいけない
患者様の満足度が下がるといったリスクが出てきます

そこで多くの先生が自由診療と言って健康保険を使用せずに
実費で料金を頂きお客様一人当たりの単価を増やすことで
売り上げを上げています

先ほどの計算で1回4000円として計算してみると

4000円×8時間×22日=70万4000円

となり利益が約40万円ほどでます

経費だけでなく先生自身の生活ことを考えると最低でも月60万円ほどの売り上げがないと

やっていけないためどうしても治療の価格が数千円になってしまうというのが実情です

嫁

なるほどなぁ

たまにある高単価の鍼灸治療はどういうこと?

ということで経費等のことを考えると数千円の治療が妥当
というか鍼灸師からするとそれ位いただかないと赤字になってしまうというお話でした

ですが鍼灸院の中には1回の治療が1万2万するところもあります

何故なのでしょうか?もちろん売り上げをもっと増やすために高単価にしているのですが

それ以外にも価格に先生の思いがあったりします

  やる気のある患者様をみたい

高単価の治療院の先生に多いのがやる気のある患者様をみたい
ということです

私は大阪で仕事をしていたのでよくあったのですが
安い料金で治療していると「とりあえずもんどいて」という患者様が
ちらほらいらっしゃいました
私は特に気にしないタイプだったのですが

治療に熱意のある先生はこっちは本気で治したいのにと患者様との気持ちに
ギャップが生まれることがありました

高単価に設定するとそれだけの料金を支払ってでもよくしたいという患者様
が集まりやすいので熱意のある先生はとてもやりやすいわけです

  一人当たりの時間を長くとれる

先生の働ける時間には限りがあるので一人の患者様を長くみようと
思うとどうしても単価を上げないといけなくなります

一人一人としっかり向き合いたいという先生は単価が高くなる傾向にあります

  治る気がする

ツボ男
ツボ男

一つ質問やけど500円のマッサージと5000円のマッサージ

やったらどっちが効きそう?

嫁

えー。そりゃ高い方がええんちゃん?

といった話で
何となく高い方がよくなる気がしませんか?

先生によってはあえて高単価に設定して患者様の「治りそうな感じ」をつくっている
鍼灸院もあります
この治りそうという効果をプラシーボ効果というのですが実際に3割ほど効き目があるという話もあります

と様々な理由からあえて治療価格を上げている鍼灸院もあります

まとめ

鍼灸治療の価格が数千円するのは
売り上げを上げて院と先生の生活を守るためどうしてもこの位の価格になるといった話でした

しかし患者様からすれば少しでも安い価格が良いというのは当然ですよね

私たち鍼灸師も患者様が元気になられるのが一番うれしいので
日々のセルフケアを大切にしてお元気なお身体をつくり
鍼灸治療だけに頼らないで済む状態を作ってもらえたらと思っています

ツボ男
ツボ男

鍼灸治療は月1回身体のメンテナンスで!位になってもらえたら嬉しいです

コメント

タイトルとURLをコピーしました